義母の強行リフォーム

そのアパートには元々お風呂が付いていなかったと聞いて、驚きました。

私が当時の恋人であり、現在の夫である彼の部屋に引っ越してきたときのことです。

目の前にある浴室は、小さめではありましたが、元からそこにあったようにしか見えませんでした。

部屋の名義人だった彼の母親、つまり義母が業者を呼び寄せて、リフォームして後付けしたというのです。

賃貸集合住宅でリフォームなんて普通ではありえないことですが、その部屋に引っ越してきたとき、強気な義母によってそれは強行的に行われました。

当然、管理者からは大変なお叱りを受けたそうですが、「だってもう取り付けちゃったも~ん」

といった感じで開き直り、取り壊すことなく長年そのまま使い続けたとのことです。

義母はしばらくして息子と別居するためにアパートを出たのですが、一人暮らしになった夫はほとんどシャワーしか使わなかったので、浴室は新品同様にきれいでした。

おかげさまで私も銭湯通いの手間がなく、毎日自宅の湯船に浸かることができたことを考えると、義母には感謝の言葉しかありません。

まあ風呂なしアパートだったら最初から同棲しようという気にはなれなかったかもしれませんが…。

他の入居者の部屋には当然お風呂はなかったので、ご近所同士いささか気まずい雰囲気も多少あったと思うのですが、義母の性格を考えると、あまり気にしなかったのかもしれません。

その部屋を引っ越すときに、撤去代や違約金を払わされるのでは?という心配はあったのですが、古いアパートだったためか、特に何も言われなかったのでホッとしました。

今でもリフォームの話を耳にすると、あの義母の強行リフォームによってできた浴室を思い出します。